近年、シニア世代の方々の健康維持や新たな生きがいを探すために習い事が注目されており、シニア世代への習い事のメリットは計り知れません。例えば身体を動かす習い事であれば筋力の維持・向上に役立ったり、細かい指先を使ったり脳を使ったりする習い事では脳機能の維持・向上が期待できます。
また、心身の健康以外にも共通の趣味や興味を持つ新しい仲間たちとの出会いは心を豊かにし、孤独感を軽減させたり、新たな目標を持つことで意欲を向上させることに繋がります。
今回の記事では、『シニア世代の方に習い事をおススメする5つの理由』を詳しくご紹介したいと思います。
1、脳を活性化させ、認知症予防に効果的
日本は世界で最も高齢化率の高い国と言われており、高齢者人口割合のトップ10を現したデータでは日本は65歳以上の高齢者人口の割合は29.1%となっており断トツの1位です。
高齢者の増加とともに認知症患者数は増加しており、今後は更に認知症患者が増加していき65歳以上の方の4.1人に1人が、認知症患者になると予想されています。
認知症は様々な脳の疾患が原因で起こりますが、結果として脳細胞がダメージを受けることによって脳の働きが悪くなることに起因して発症すると考えられています。
ところで、認知症と間違われやすいものに加齢による物忘れがあります。
加齢による物忘れはごくごく自然なことで、認知症とは根本的に全くの別物です。
例えば昨夜食べた夕飯のおかずを思い出してみてください。『ご飯は食べたけれど、何を食べたか思い出せない…』といった方はご安心ください。認知症ではありません。
これは一般的な物忘れの症状で、誰にでもあてはまる症状です。ここで問題なのは食べたことすら覚えていない場合です。
他にも加齢による物忘れは自分で『忘れた』という自覚がありますが、認知症による物忘れは『忘れた』という自覚がありません。
更に認知症はどんどんと進行していき、日常生活にも支障をきたしてきてしまいます。
このように恐ろしい認知症ですが、習い事により認知症を予防することができます。
例えば語学教室などで新しい言語を学ぶことは効果的だと言われています。バイリンガルの人はそうでない人に比べて認知症の発症時期が5年遅くなる、という研究結果もあります。その他にも楽器を演奏することは指先を細かく動かすことになりますし同時に楽譜を見ながらの演奏は脳を刺激することになります。
他にも身体を動かすことによって脳にダメージを与える原因物質を減らすことができますので結果として認知症の予防効果が期待できます。
運動は有酸素運動でも簡単な筋力トレーニングでもどちらもおすすめです。
このようにシニアの方々が定期的に習い事に取り組むことは、運動や新しく得た知識などによって脳が活性化されることに繋がり、結果として認知症の予防効果を得ることができます。
2、運動不足解消や体力維持に効果がある
厚生労働省の調査で、65歳以上の方で「運動習慣者」の割合は男性で36.2%、女性で24.9%となっています。
「運動習慣者」とは「週2回以上、1回30分以上の運動を1年以上継続している人」のこと、と定義されています。
この割合でいくと65歳以上の男性の運動習慣者は3人中1人、65歳以上の女性の運動習慣者は4人に1人しか定期的な運動をしていないということになります。
さて、では運動不足になるとどのような弊害が起きるのでしょうか。
シニア世代が運動不足になると筋肉量の低下が起こり、同時に骨ももろくなってしまい少しの衝撃で骨折しやすくなってしまいます。
このような状態になると転倒しやすくなったり、転倒によって簡単に骨折したりします。
また、運動不足が続くと食欲も落ちていき食事の摂取量が減ることによって栄養不足にもなります。
このような状態になると最悪寝たきりなどの状態になってしまい生活の質が低下してしまうことになります。
そのため、身体を動かすことはとても重要です。
とはいうものの激しい運動をすれば良いのかというとそうではなく、無理のない範囲で軽い運動から始めていくことが大切になってきます。
習い事としては身体に負担の少ないプールやヨガなどといった全身を満遍なく使う運動にすると、長く続けることができ、筋力や体力の維持・向上に効果的です。
また、しっかりと動くことで食欲も増し身体の栄養状態も良くなっていきます。
3、新たなことに挑戦し、充実した毎日を過ごせる
定年退職をされ、仕事に追われていた日々から解放されると開放的な気持ちになり、しばらくはとても嬉しいものです。ところが段々と時間が経つと今日は何をしようか?今日も特に何も予定はないなといった生活になっていきます。
そうなると、どうしても毎日の生活がマンネリ化してしまいます。
そんな毎日の生活も新しい習い事を始めることにより1日の予定ができ、外出する機会が増え、気持ちが前向きになります。
その結果、日々の生活をより充実したものにすることができます。
また、新しい習い事にチャレンジすることは、新たな目標を見つけることになり、その目標に向かって努力をすることで達成感を得たり、再度自分に自信をつけることにも繋がります。
4、趣味の仲間と交流し、孤独感を解消できる
シニア世代になると、社会とのつながりが段々と希薄になっていき、家に閉じこもりがちになってしまうと孤独を感じることも多くなります。
習い事を通して、共通の趣味をもった仲間たちと交流することで、孤独感を解消することができ、心の健康に繋がります。
また、同じ習い事をしている仲間との交流は色々な面で新たな刺激を受けることもできます。
5、日々のストレス解消やリフレッシュ効果を得ることができる
新しい習い事に取り組むことは、気分転換になったり習い事で出会った仲間たちとの交流などで日々の生活からのリフレッシュやストレス解消にも役立ちます。
新しいスキルを学ぶ過程や成果を楽しむことで、前向きな気持ちが生まれてきますし、一生懸命身体を動かした後などは心地よい疲労感を感じ、気分がスッキリしてきます。
このように習い事を始めるとポジティブな気持ちになり明日への活力が湧いてきます。
シニアが習い事を始める前の注意点やポイントについて
以上、習い事を始めることによる様々なメリットについてお話させていただきましたが、せっかく始めた習い事を楽しく継続するためには自分の体力や興味のあるものに合わせて習い事を選ぶことが大切です。
また、いくらメリットがあるからといっても自分自身の無理のない範囲で行うことも重要です。
習い事を始める前には、いきなり始めるのではなく一度体験レッスンに参加したり、見学をするなどして場の雰囲気などを事前にしっかりと確認してから、どうするか検討することをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では『シニア世代の方に習い事をおススメする5つの理由』をご紹介しました。
人生100年時代を心楽しく、豊かに生きていくために習い事は非常に効果的なものです。
新たな目標を立て、それに向かって努力していくことは自分のやる気を引き出し、色々な可能性を引き出すことができます。
第2の人生、ぜひ、自分に合った習い事を見つけて、充実したシニアライフを送ってください。