60代を迎えると、仕事や子育てから解放され、ようやく自分の自由な時間が増えてきます。
そんな時にこそ健康的な生活を送り、いつまでも元気でいることは自分自身のことだけではなく、同時にご家族の願いでもあります。
健康的な生活を送るためには栄養バランスのとれた食事、適度な運動による体力や筋力の維持・向上を心がけ、新たな生きがいや楽しみを感じながらいつまでも若々しくアクティブな生活を送ることが重要になってきます。
今回の記事では、シニア世代の方に向けた健康とフィットネスのヒントをいくつかご紹介したいと思います。
バランスのとれた食事
シニア世代の方が健康的な生活を送るためには、栄養バランスのとれた食事を心がけることが重要になります。必要な栄養素を摂取するためにまずは、ごはん・パン・麺類といった「主食」、肉・魚・卵・大豆製品など「主菜」、野菜・きのこ・いも・海藻といった「副菜」をバランス良く組み合わせた食事を1日3食摂るように心がけてください。しかし、『食が細くなってしまいあまり食べられなくなってしまった』という方もいらっしゃると思います。そういう場合は、朝食と昼食の間や昼食と夕食の間で間食を摂るのもおすすめです。さっぱりしたアイスクリームやプリンなどは食欲がないときでも食べやすく、少量でもしっかりと栄養分を摂取することができます。
他にもプロテインもおすすめです。
プロテインと聞くとスポーツ選手やボディビルダーが飲んでいるイメージが強いと思いますがプロテインとは日本語にするとタンパク質という意味。
タンパク質は筋肉だけでなく髪の毛や皮膚、内臓の材料となる身体にとっては必要不可欠な栄養素の一つです。
健康のためには運動をすることがいいのですが、単に運動をしているだけでは筋肉はつきません。筋肉の材料となるタンパク質を摂取する必要があるのです。
ところが食が細くなってしまうとどうしても適切な量を摂取できないのでプロテインでカバーすることができるためシニアの方にもおすすめしています。
プロテインは水や牛乳に溶かして飲むのが一般的で、様々な味がありますので自分の好みの物を選ぶことができます。
また、どうしてもプロテインが飲みにくいという方は毎朝のコーヒーなどに溶かして飲むのも良いです。
※持病がある方は必ず事前にかかりつけ医にご確認ください。
一日に必要なタンパク質の目安は「ご自身の体重×1g」です。
例えば体重60kgの人であれば一日に必要なタンパク質の量は60gということです。
といってもいきなり60gを摂取するのではなく、食事でタンパク質が少ないと感じたら食後に飲んだり、完食に飲んだりしてこまめに摂取するようにしてください。
特に比較的タンパク質の摂取量が少ないとされている朝食時に摂取すると効率的に体内に取り込まれます。
このように手軽に栄養補助をしてくれるプロテインですが、撮りすぎは脂肪の原因になったり内臓に負担がかかったりしますので適量を守って効率的にタンパク質を摂取するようにしてください。
適度な運動
適度な運動を行うことは、健康で活動的な生活を送るための重要な要素です。シニア世代の方にとっては運動不足を感じてはいるものの、どのような運動をすればよいのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。
加齢に伴い身体機能や筋力は年々低下していきます。ですので、普段から運動週間があまりないという方はいきなり激しい運動は危険です。まずはウォーキングや水泳などの軽めの有酸素運動を週に2日以上行い、一回の運動時間は30分程度で行うとよいでしょう。
また、有酸素運動に併用してご自宅での筋力トレーニングもおすすめします。筋肉の衰えは足からきますので、おしり周りや太ももを中心にトレーニングを行います。足腰を鍛える筋力トレーニングで代表的なものはスクワットですが、人によっては負荷が強すぎたりフォームが悪いと膝関節を痛める原因にもなってしまいます。
そこで負荷が少ないスクワットとして椅子を使って行う方法があります。準備するものはイスだけです。やり方は簡単で、
①イスに浅く座る
②身体を前傾姿勢にして手を膝に当てたままゆっくりと立ち上がる
③同じ姿勢で手を膝に当てたままゆっくりと椅子に座る
※この時、おしりが椅子に触れる直前くらいで再び立ち上がる動作を行うとより効果的です。
初めは無理せず少ない回数から始め、慣れてくれば徐々に数を増やしていくと良いで しょう。
ウォーキングや水泳などといった有酸素運動は心臓や肺の健康を維持し、筋力トレーニングは筋力を高め、転倒予防にも効果的ですので定期的な運動習慣を身に付けてください。また、ストレッチやヨガなどを行うと柔軟性を高めることが出来ますのでこちらもおすすめです。
関節の柔軟性が高まると、日常生活の動作をスムーズに行うのに役立ちますし、腰痛や膝痛の改善、血行の改善など健康促進効果もあります。また、適度な運動やストレッチなどはストレスを軽減し、心身のリラックスを促進する効果もあります。
特にストレッチなどは、毎日のお風呂上がりの身体が温まっているうちに少しの時間を割いて行うとより効果的です。
十分な睡眠
年を重ねるごとに睡眠時間がだんだんと減っていくのは自然なことです。シニアの方の睡眠時間は5~6時間程がベストといわれています。むしろ『疲れやすいので毎日8時間以上寝ている』という方は逆に健康リスクがあることが示されています。
眠気がない場合は布団には入らずに寝床に8時間以上いないように調整してください。また昼間に寝すぎてしまうとどうしても夜には寝付けられなくなってしまうもの。日中は趣味や習い事などで適度な運動もして日中の活動時間を増やすようにしてください。規則正しい睡眠習慣を身に付け、快適な睡眠環境を整えることで、身体の修復やリフレッシュを促進します。
なかなか寝付けないときなどは一旦布団から離れて眠気が訪れるまで別の場所で過ごすようにしてください。就寝の1~2時間前に入浴をして身体を暖めてから布団にはいると安眠しやすいです。
また、スマホやタブレットなどは布団には持ち込まず、電気をつけたままやラジオやテレビを付けたまま寝るのはやめましょう。リラックスできる寝具や寝衣を使用するのもおすすめです。
ストレス解消
シニア世代の方はストレスを感じると心身への反応が出現しやすくなり、眠りが浅くなったり、判断力が低下したり、なにをするにも面倒になり意欲がなくなる、などといった症状が強く現れることがあります。
このようにストレスとは、心身の健康に悪影響を及ぼすものです。
趣味や習い事を楽しんだり友人とおしゃべりをしたりスポーツなど身体を動かすなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることがとても大切になってきます。
まとめ
以上、シニア向け健康とフィットネスのヒントを紹介しました。
これらのヒントを参考に、自分に合った方法で健康的な生活習慣を心がけ、いつまでも若々しく、アクティブな生活を送っていただきたいと思います。シニアの方々が健康な生活を送るためには、食事、運動、睡眠など、心のケアなどといったさまざまな要素に配慮する必要があります。
日々の積み重ねが、優雅に年を重ねるための大切な一歩となるでしょう。